税務調査のアレコレ・・・

国税の調査、つまり、国税の税務調査は強制的に調査する『強制調査』と税務当局と納税者双方の合意のもと実施される『任意調査』の2つに大別されます。

[強制調査とは?]
強制調査とは、国税局査察部が強制的に証拠物件や書類を押収して実施する税務調査のこと。悪質な脱税が疑われる容疑者に対して裁判所が捜査令状を発行して実施される税務調査です。この税務調査は相当多額で悪質な脱税が疑われる場合に実施され、国税局査察部は通称「マルサ」と呼ばれています。

[任意調査とは?]
対して任意調査は、納税者の申告内容を確認するために実施される税務調査です。この税務調査はあらかじめ脱税または不正の事実を把握した上で実施される調査ではありません。一般的には事前に調査の予定日も連絡してきますし、通常の税務調査はほとんどがこの任意調査です。

どうしても税務調査というと、国税局査察部の「マルサ」のイメージが強いのか、身構えてしまう方も多いですね。しかし一般的に実施される税務調査はほとんどが任意調査なので安心してください。

国税局査察部の国税の調査を描いた伊丹十三監督の『マルサの女』は、今観ても面白い映画ですが、国税の調査について国民の目を向けたエポックメイキングな映画でした。しかし、あまりにヒットしたため、脱税の仕方(?)や国税の調査方法まで詳細に知れ渡ることになってしまったという側面もあるようです。国税局も全面的に協力したと思いますが、少しやぶ蛇だったかもしれませんね。あしからず。

Posted on 8月 11th, 2010 in 国税調査 | Comments Off

国税調査関連ニュース~印紙の貼り忘れ?

3万円を超える領収書に貼ってある「印紙」ですが、先日印紙税に関するニュースがありましたのでご紹介しましょう。

『りそな銀、2億5000万円納付漏れ=収入印紙60万枚分-大阪国税局』
(時事ドットコム|2010年6月8日配信より引用・抜粋)
りそな銀行(大阪市中央区)が大阪国税局の税務調査を受け、2009年9月までの約3年間で印紙税約2億5000万円の納付漏れを指摘されていたことが8日、分かった。追徴分を含めた過怠税額は約2億8000万円とみられる。
関係者によると、約60万枚分の収入印紙が張られていなかった。複数の担当行員が金額を記入した受取書を顧客に渡す際、誤って収入印紙を張っていなかったという。~(以下省略)

意図的な行為ではなく、担当者全員が印紙を貼るのを忘れていた(知らなかった?)のだそうです。銀行が顧客からお金を受け取る際の””受取書”が課税文書なのかどうかということで今回の大阪国税局の判断が下ったということなのでしょう。

[課税文書とは?]
印紙税が課税されるのは、印紙税法で定められた”課税文書”に限られます。課税文書かどうかの判断は、その文書に記載されている内容によります。文書の名称や文言は当事者の約束によって様々ですので、課税文書かどうかの判断は文書の名称、呼称や記載されている文言で形式的に行うのではなく、その文書に記載されている実質的・客観的な内容・意味を汲み取って行われます。

Posted on 6月 10th, 2010 in 国税調査, 国税 | Comments Off

国税調査;国税庁とは?

私たちの住む町にはそれぞれ管轄する「税務署」がありますが、それを束ねる親分が「国税庁」です。今回はこの国税庁について少し詳しくご紹介しようと思います。

国税庁は、所得税、法人税、相続税(直接国税)、酒税、消費税(間接国税)などの国税の課税・徴収を行う財務省の外局です。財務省主税局が税制の企画・法制化などに関わるのに対して、租税制度を執行する「執行機関」としての役割を担ってるのが国税庁なのです。

この国税庁の地方組織として、全国に11の国税局、1つの事務所(沖縄国税事務所)、524の税務署が日本全国に置かれています。

国税庁の名前を目にするのは、新聞報道などで税金のニュース、大規模な脱税事件があったときだと思います。一般人が国税庁の調査を受けることはほぼありませんが、莫大な財産のある家であれば相続の際に調査を受けることになりやもしれませんね。しかし、それ以外の場合、国税査察部による税務調査というものが個人に入ることはありませんのでご安心ください。

伊丹十三監督の映画「マルサの女」で紹介された国税査察部は、東京、大阪、名古屋の3つの国税局に置かれています。国税局の中で唯一、強制調査の権限を持つ部署であり、悪質な脱税の場合は検察庁に告発する子とが出来る部署です。この国税査察部の他に、大企業の調査を担当するのが調査部、資本金が1億円未満の法人や個人の調査を担当するのが課税部となっています。大きな国税局では、この課税部が個人の所得税や相続税などを調査するのが課税1部、法人調査が課税2部と分かれています。

Posted on 12月 22nd, 2009 in 国税調査, 国税 | Comments Off

国税調査官関連のニュースより・・・

先月末から立て続けに国税調査官による犯罪行為のニュースがありましたのでご紹介しておきましょう。国税に関わる調査官には高い倫理性が必要だと思うのですが、今回の事件はそれを覆すひどい事件だと思います。

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「国税調査官が税金逃れ マンション賃貸兼業の職員を懲戒処分」
(MSNニュース|2009年10月30日より引用抜粋)
兼業の承認申請をせず所有マンションから多額の家賃収入を得ていたとして、大阪国税局は30日、国家公務員法違反(兼業禁止など)で、大阪府内の税務署に勤務する上席国税調査官の男性職員(42)を減給10分の2(3カ月)の懲戒処分とした。男性職員は同日付で依願退職した。(以下省略)

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「<飲酒ひき逃げ>容疑で国税調査官逮捕 静岡」
(毎日新聞|2009年11月21日より引用抜粋)
静岡県警清水署は21日、静岡市清水区天神1、静岡税務署特別国税調査官、佐野茂容疑者(57)を自動車運転過失傷害と道交法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)容疑で逮捕した。同署によると「酒を飲んでいたので逃げた」と容疑を認めているという。(以下省略)

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国税調査官は税金のスペシャリストです。その専門化が自身の専門知識を使って「脱税」を図ろうとしていたのは、言語道断と言わざる負えません。もう一つの飲酒ひき逃げは言うに及ばず。

Posted on 11月 25th, 2009 in 国税調査, 国税調査員 | Comments Off

国税の査察制度とは?

日本の税金は納税者自身の適正な申告と納税に支えられています。(申告納税制度)
しかし、課税の公平を確保するためには故意に不正な手段で税金を免れようとする者の責任を厳しく追及する裏づけが必要です。このため、一般的な税務調査のほかに、特に大口・悪質な脱税をした者に対しては、税金を納めさせるだけでなく、懲役又は罰金という刑罰を科すための「査察制度」という特別な調査が行われています。この査察調査には、国税庁と国税局に配置されている国税査察官(全国で約1,300名)が当たっています。

一般の税務調査は任意調査によっていますが、国税の査察調査は強制的権限をもって犯罪捜査に準ずる方法で調査する強制調査です。国税の査察調査の結果に基づいて検察庁に告発することもあり、国税の課税処分が行われるほか、裁判の結果によっては実刑を下されるような場合もあります。

国税の査察調査で実際に執行しているのは、各国税局に配置された国税査察官です。国税査察官は脱税の調査を行う際、調査対象者を逮捕して取り調べる権限こそありませんが、「国税犯則取締法」という法律によって、犯則嫌疑者や参考人に質問し帳簿や書類を調査・検査すること、任意に提出した物を領置すること、裁判官から許可状の交付を受けて、一定の場所に立ち入って捜索・調査し、証拠物件を差し押さえることができます。

最近の査察調査では、外国為替証拠金取引(FX)による利益の除外、架空の輸出免税売上とそれに見合う架空の課税仕入を計上、人材派遣業を中心に、本来課税仕入に該当しない人件費を課税仕入となる外注費に科目を仮装することなどによる消費税の脱税が増加しているようです。

Posted on 10月 23rd, 2009 in 国税調査, 国税調査員 | Comments Off

国税のことアレコレ

国税の調査のことを中心にご紹介してきましたが、今回は「国税」にまつわる様々なことを少々ご紹介したいと思います。

国税を扱う省庁は財務省の外局である「国税庁」です。「国税庁」は、所得税・法人税・相続税(直接国税)、酒税・消費税(間接国税)などの国税の課税・徴収を行います。財務省主税局が税制の企画・法制化などに関わるのに対して、国税庁は租税制度を執行する「執行機関」としての役割を担っています。この国税庁の地方組織として、全国に11の国税局、1つの事務所(沖縄国税事務所)、524の税務署が設けられています。

税務署は、規模によっても異なりますが、個人事業者などの申告所得税・消費税等の指導と調査を行う「個人課税部門」、法人税・消費税・源泉所得税・印紙税等の指導と調査を行う「法人課税部門」、相続税・贈与税・土地・家屋等を譲渡したときの所得税などについての指導と調査を行う「資産課税部門」等があります。

<個人課税部門>
所得税や個人の消費税についての相談や調査、個人事業者向けの各種説明会や青色申告のための記帳指導・研修などを担当しています。

<法人課税部門>
法人税、源泉所得税、酒税、印紙税、揮発油税のほか、法人についての消費税の指導・調査を担当しています。

<資産課税部門>
相続税、贈与税、土地・家屋等を譲渡したときの所得税などについての指導・調査を担当しています。

<管理徴収部門>
国税債権の管理、還付金の処理、延納・物納に関する事務、現金の領収、納付の相談、滞納処分、納税証明書の発行等を担当しています。

Posted on 9月 25th, 2009 in 税務署, 国税調査, 国税 | Comments Off

税務調査;最近のニュースから

納税、国税、地方税、税務調査などの話題についてご紹介してきています。
今回は、最近報道された税務調査関連のニュースをご紹介しましょう。

『集英社、5億所得隠し 国税指摘|社員の飲食「取材費」処理

出版大手「集英社」(東京都千代田区)が東京国税局の税務調査を受け、2008年5月期までの5年間に計約5億円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。重加算税と過少申告加算税を含めた追徴税額は約2億円に上り、同社は指摘に従って修正申告に応じ、納付を済ませたという。
~(中略)~
関係者によると、東京国税局の税務調査や集英社の社内調査で、編集者など社員と作家らが集まって居酒屋など飲食店で行ったとされる打ち合わせの中に、作家らが同席した事実のないものが大量に含まれていることが判明。取材・編集業務に絡む支出に当たらないとして、同局に「交際費」と認定され、重加算税の対象となったという。(以下省略)』
(読売新聞|2009年8月21日より引用抜粋)

いわゆる社員同士の飲み食いを会社の経費で落としていたというケースですが、出版社の場合、編集のための座談会や取材に要する支出について費用計上を認められているため、悪用すると租税回避できることが原因です。こういった税務調査の場合には、領収書の日付やお店の裏づけ調査を行うことによって判明します。しかし、社会悪を暴く立場にある報道機関にはあって欲しくない事件だと思います。まずは、社会悪よりも自分の足元に気をつけてもらいたいものですね。

Posted on 8月 26th, 2009 in 国税調査, 税務調査が来た | Comments Off

税務調査の種類

国税調査を含め、税務調査には大きく分けて「強制調査」と「任意調査」があります。
「強制調査」とは呼んで字のごとく国税局査察部が強制的に証拠物件や書類を押収して行われる税務調査のことで、悪質脱税容疑者に対し、裁判所が捜査令状を発行し行われる調査です。この税務調査は相当多額で悪質な脱税が探知された場合に行われ、国税局査察部は「マルサ」と呼ばれています。

それに対して「任意調査」は、納税者の申告内容について確認をするために行われる税務調査のことです。この調査はあらかじめ脱税または不正の事実を把握した上で行われる調査ではありません。通常は事前に調査の予定日も連絡してきますし、一般的な税務調査はほとんどがこの任意調査です。

この税務調査の対象の選定は、税務職員が個々の判断に基づいて行います。
それ故3年に1度調査が行われる会社もあれば、中には10年以上も税務調査がないという会社もあります。この調査先の選定はコンピュータなどを使ってランダムに選ぶわけではなく、どの会社も平等に調査しているわけではありません。

税務署には個々の会社ごとに、過去の申告のデータ等を整理した「税歴表」というものがあり、調査官が自分の担当の会社の税暦表を見ながら税務調査先を選定しています。

現実的には、売上規模が大きめの黒字の会社、急激に業績が向上した会社、多額の貸倒がある会社、土地建物の取引があった会社などが税務調査対象になりやすいと言われています。

Posted on 4月 23rd, 2009 in 国税調査 | Comments Off

消費税の確定申告

消費税には「国税」部分と「地方税」部分がありますが、どちらも同じ申告書で所轄の税務署に申告します。納税も1枚の納付書で国税分・地方税分の合計を納税します。納税期限は申告期限と同一日となっており、銀行等の金融機関または税務署で納税します。

個人事業者の場合には、所轄の税務署に3月末日までに申告します。先週の月曜日までだった所得税の確定申告から、すぐさま消費税の確定申告期限が迫ってきていますが、申告漏れの無いように注意が必要です。

法人の場合には、所轄の税務署に決算日以後2ヶ月以内に申告します。この点は法人税の確定申告と同じですが、法人税では認められている申告期限の延長(1ヶ月)が消費税の場合には認められていませんので、注意が必要です。

個人事業主の場合、国税調査が入ることはほとんどないと思いますが、金額が大きくなった場合にはその限りではありません。悪質な脱税や脱法行為を伴うクロに近い節税が疑われる場合には国税調査員による査察・調査を受けてしまうかもしれません。

「納税」は国民の三大義務の一つです。日本国憲法にも「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」ということが明記されています。それでは、納税することによる我々へのメリットは何があるのでしょう。

私たち国民は、公的な機関からの行政サービス提供を受けた見返り、国や地方公共団体が国民の財産や治安などの維持など公共的な行為を納税によって受けているのです。

Posted on 3月 25th, 2009 in 国税調査, 国税調査員, 国税の確定申告 | Comments Off

国税調査~査察制度

国税の調査について調べてきていますが、今回は「査察制度」についてまとめていきたいと思います。
この「査察制度」というのは、一般に行われる税務調査は納税者の同意を前提とした「任意調査」ですが、強制的権限をもって犯罪捜査に準ずる方法で調査するのが「査察調査」といわれるものです。

この査察調査の結果に基づいて検察庁に告発にいたるケースもあり、追徴課税処分が行われるほか、裁判の結果次第では、実刑を下されるような場合も見られます。「査察制度」において実際に執行にあたっているのは、各国税局に配置された「国税査察官」です。「国税査察官」は脱税の調査の際、逮捕して取り調べる権限こそ持ちませんが、「国税犯則取締法」という法律によって、犯則嫌疑者や参考人に質問し帳簿や書類を検査すること、任意に提出した物を領置すること、裁判官から許可状の交付を受けて、一定の場所に立ち入って捜索し、証拠物件を差し押さえることが可能です。

最近の査察調査の結果(国税庁公表)をみると、平成16年度中の査察着手件数は210件。また、処理した213件のうち152件を検察庁に告発しています。
脱税の手段としては、架空原価、架空人件費、架空経費の計上、売上除外が最も多くなっています。また、脱税した資金を、居宅洗面所の鏡の裏側に現金や株券を隠していたり、自宅のクローゼットのパイプの中に貸し金庫の鍵を隠していたケースなどもあり、巧妙化しているようです。

Posted on 1月 21st, 2009 in 国税調査, 国税 | Comments Off